伊勢市駅裏
電車はいつも過去からやってくる。
近鉄伊勢市駅.通称駅裏。
観光ガイドには絶対のらない伊勢市駅裏。
人がやっとすれ違えるくらいの細い路地が入り組み
まるで迷路にまよいこんだような街があります。
伊勢では路地の事を「世古」と呼びます。
その世古を歩いてみました。
伊勢市駅のほど近くに突然とお墓があります。
ここは我がご先祖のお墓があります。
我がご先祖は国学者足代弘訓という偉い人だったと言われています。
足代は父方の姓で江戸時代は恩師と祢宜(神宮の神官)だったそうです。
ここにお墓があると教えられてきましたが
本家ではないようなのでこのお墓にはお参りしたことがありません。
父は系図を作ったり先祖の事について詳しく調べていたようですが
僕には先祖の事ははあんまりよくわかりません。
新しい古いを問わず民家や住宅を見るのが好きです。
街をあるいていると思わぬところにすてきな住宅が建っていたり
奇妙で味のある建築物があったりと
たくさんの面白い建物を見つけるのが好きです。
駅裏の最もすてきな建物は下のアパートです。
おそらく昭和20年代後半から30年代前半に建てられたものだと思います。
僕らの子供の頃はこういったアパートがまだたくさん建っていましたが
伊勢ではもうこのアパートが最古になるのかもしれません。
しかも誰かが住んでいらっしゃるようです。
このアパートが新築だったころは
子供たちの声が響いて
さぞやにぎやかだったのでしょうね。
日本がこれからどんどん発展してゆく夢が見れた時代でした。
こういった所にとてもいとおしさを感じてしまいます。
なんでも完璧にきれいに清潔になりすぎた日本の道路に
ささやかに反抗しているようで、
またタイやインドネシアの裏道のようで、
アジアを思い出してなつかしくなります。
養生寺(ようぞうじ)の前の宝くじ屋さんはよくあたるので有名です。
ここで1億4千万のロト6とか1000万円とか当たったことがあります。
あ、もちろん僕ではないですよ。年末宝くじも玉砕しました。
伊勢は圧倒的に神社が多く、お寺の存在感はあまりないです。
キッチュな霊泉湯です。伊勢のお風呂屋さんはだいたい入りましたが
まだここは入った事がありません。
なくなってしまう前に行っておかなきゃ。
夜見るとネオン管がきれいなんですよ。
普段知っていると思っているようでも
実際に歩いてみると僕らはこの街の事を
何も知らなかったように思う事があります。
まるで知らない土地を歩いているみたいな錯覚に陥ります。
僕らは如何に決まりきった場所にしか行っていないかがよくわかります。
なにも遠くに行くだけが旅ではありません。
本当に少し歩くだけでいろんな世界があることが発見出来ますよ。
もし、このブログを見て見学に行こうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
どうか住人の方にご迷惑のないように見学していただきたいと思います。