シャンバラなブログ

シャンバラな日々のお仕事以外の旅やつれづれをつづります。

シャンバラ学校


閉店を発表してから
いろいろな感想をいただき、
ぼくが思っている以上にみなさん
シャンバラにいろいろな思いを抱いていてくれたんだなあ、
と改めて18年の重さを感じました。

f:id:mikishanbara:20081029084956j:image

発表したあとも
というか、あとから、
このままやめてええんやろか?
とずぶずぶと不安感が増大いたしました。


口ではヘラヘラしていたものの、
「閉店撤回」という事もチラチラと頭をよぎりました。
続けようと思えば
なんとかは続けられない事もないのです。


ネットだけのお店で果たしてよいものか?
ぼくの選択は間違っていたのだろうか?
今までお店があるのが当たり前の生活でしたが
12月からはお店がなくなるのです。
そんなことを考えていたら
眠れずに朝が来ました。
心の中は不安でいっぱいでした。


不安の解消法は二つ。
ひとつは体を動かす事、
ひとつは仕事をすること。


仕事の不安は仕事で解消、と
朝6時から仕事を始めました。
ときどき朝から6時ごろに起きて
倉庫で仕事を始めます。


それでも迷いと不安は吹っ切れず、
午後から
ちょっと仕事の打ち合わせの用事があったので
とある場所に出かけました。
そこで偶然、5-6年前に一緒に滝行に言った
Wさんという女性と合いました。


森のまつりの高麗広の2回目の準備の時、
足神神社の宮司さんに誘われて
心身の浄化のため?に
美杉村の若宮八幡宮に滝行に行ったことがあります。
そのときにぼくの運転で
Wさんと宮司さん(女性)と滝行に出かけたのです。
日付は忘れましたが
ちょうど秋の今頃、肌寒い時期でした。


若宮八幡宮の宮司さんに祝詞を挙げてもらい
滝までの紅葉の美しい山道をふんどし一枚で歩き
wさんは白装束の作務衣、
ほかに不登校の中学生がお母さんに付き添われて
来ていました。


滝つぼの前で「鳥船の儀式」を行ったあと、
宮司さん、ぼく、Wさん、中学生の順で滝つぼにはいり
滝に打たれました。
雨が続いたあとで水量はかなりのものでしたが
滝の裏側に入ると大丈夫でした。
もちろん水は氷のように冷たいので1分も
いられなかったのですが
寒さもまったく感じず、
アドレナリンだかドーパミンだか
が脳内一斉放出状態でものすごい快感でした。


「まあ、ひさしぶり」という事で
いろいろお話したのです。
お店をやめる、という話はしたのですが
そんな、すごく不安で悩んでいて、なんてことは
もちろん言いませんでした。


でもその人とお話しているうちに
不安な気持ちが
ほんと霧が晴れるように消えていったのです。
別にたいした話はしていないんですよ。
ヒーリングしてもらったとかそういうわけではありません。
ぼくはヒーラーとかはちょっと苦手です。


ほんとに世間話だけなんですが、
うそみたいに不安が消えました。
まるで肩こりに悩んでいた人が
あんまさんにもんでもらってうそみたいに治るように
Wさんにはぼくの心のコリをほぐす力があったのかな、
と思いました。
ある意味自然な形のヒーリングなのかな。


このままここでお店を続けていても
多分、「店をやっている」というだけで 何も変わりません。
それはそれでいいんですけど。


基本的にぼくはお店でじっと店番をしているのが
とても苦手です。
昔は人を雇っていたときはその人にまかせっきりで
夕方5時から閉店までくらいしか店にいませんでした。


特に苦手なのはお客さんに「モノをすすめる」ことです。
お店によっては
「これはどうですか?この商品はすごいですよ、これがだめなら、こっちはどうか?」
なんて口八丁手八丁に店員さんが
てきぱきと販売してくれるお店ありますが、
ぼくにはそんなセールストークはとてもできません。


なのでシャンバラは
「気にいったら買っていってください。
気にいらなければ買わなくてももちろん問題ないですよ」
というスタンスで、お客さんからある程度距離を置いていました。


お客さんがあんまり気に入ってなさ気なモノを無理やり勧めるのもできません。
しかし、お客さんによっては店員さんに勧めてほしい方もいらっしゃいます。
そのへんが店員業の難しいところですが 。
「どっちがいい?」と聞かれれば
「こっちのほうが似合っていますよ」とか言いますし、
もちろん愛想は常によいです。^^)
しかし買うか買わないかは
基本的には判断はお客さん任せです。
そういう意味ではぼくは
自動販売機やコンビニのような店員であって
売上げに貢献できる店員ではなかったように思います。

ぼくが商売をやっているのはなんの目的でやっているのか?
よく考えてみると、シャンバラを年商何億とかの大きな会社にしたいわけでもありません。
というか多分、
何億とかの会社にするには意欲と才能がありません。
音楽や絵と同じように商売にも才能が要ります。
自分にはそこそこはあるとは思いますが
多分そんな何十人も従業員がいるような大会社の社長になる
自分を思い描いてもピンと来ません。
何かの偶然でそうなるのでしたら別ですが
自分からそんな大会社にしよう、
なんて意欲は全くありません。


でも服や布やアクセサリーは大好きですし
何よりも外国に行く事が好きです。
飛行機乗ったりするのも好きです。
いつも外国に行きたいからこの商売をはじめたのです。
商売はあくまで手段であって目的ではないのです。
もちろん商売自体も好きですし、自分に向いてると思います。
でも、本当にやりたい事、なりたい自分、
ではないような気がするんです。


一体、ぼくは何がしたいのだろう?とずっと考えてきました。


ぼくはシャンバラを「モノを売るだけ」のことで
終わらせたくなかったのです。
なので「森のまつり」をやったり
いろいろなイベントを手がけてきたりしました。
それはそれで自分の中では
大きな成果を得たし、満足しています。
でも、まつりは大きな打ち上げ花火のようなもので
継続的に行う自分の仕事としてかんがえると
ちょっと違います。


では、何がしたいのだろう?


ぼくはいろんなことが知りたいのです。
いろんなことを知って、いろんなことを表現したいのです。


そう思っている人はたくさんいるはずです。
でもどう表現したらいいかわからないし、
そんな才能もないしやり方もわからない。
場所もない。
と多くの人は思っています。ぼくも同じです。


表現や才能の問題は置いておいて、
知る事や学ぶ事、遊ぶ事に関しては
才能は要りません。


ありがたいことにまつりのおかげで
たくさんの才能ある人達に出会うことができました。
そういった才能を生かしたことを何かできないものか?
と、考えていて


思いついたのが
「シャンバラ学校」です。


絵や音楽、踊りはもちろん
体のこと
仕事や環境、
生活
心のトリートメント、
子供と遊んだり、
お年寄りと遊んだり話をしたり
切り口はいくらでも思い浮かんできました。


もちろんぼくが先生ではありません。
ぼくの周りのたくさんの才能ある人たちにお願いして
先生になってもらって
いろいろな事を学べる学校を作ろう、
と思いました。
ぼくのように、学びたい、知りたい人に
場所とチャンスを提供しよう。


前々からそういう構想は少しはあったのですが
やはりお店に時間も体も拘束されて
そんな余裕はなかったのですが
お店という枷がはずれると
やってみたかったことが実現の可能性が
一気に増したような気がします。


お店をやるときに
迷わずにというか、 なんとなくですが
「シャンバラ」という店の名前にしよう、と思い、
名づけました。


この名前がネットの虚の空間だけになってしまうのは
実にもったいない。
実はそれが一番の心に引っかかっていた事なんです。
シャンバラという名前をつけたからには
この世にシャンバラを具現化させたい。
というのがひそかな大きな望みでもありました。


しかし、シャンバラという理想と
商売という現実の間のギャップを
どう埋めればいいのか
わかりませんでした。


「シャンバラ学校」というのは自分の理想に近づける
もっともいい方法のような気がします。
ぼくらはいろんな事を学びたいし
学んだことで自分を高めて、人のお役にたちたい。
また教えることで人のお役にたてるかもしれない。
そういう機会とか場所とかが
普通に生活しているとなかなかありません。


だれでもが先生になれるし、
だれでもがいろんな事を学べ体験できる。


そんな学校を作ろう、と思いました。
もちろん、ついこの間、思いついたので
まだ具体案は何もありません。
いや、頭の中では
いろいろなアイディアが
ぐるぐると湧き出して来ています。
あれもしたい、これもしたい。
さらにはプレッシャーも。


しかしその前に、今はそれよりも
店を終わらせる、というファイナルに向かって
いろいろな仕事をこなさなければならず
それどころではありません。


あ、もちろんこの商売をやめると言うわけでは
全くありませんよ。
ぼくはこの商売も大好きですから。
まだまだどんどん行きます。
ゆくゆくは
まだどうなるかわからないけれど。
そのときには
また実店舗も出せればいいな。


実店舗を閉めるおかげで
新たな未来が見えてきました。
でもまだまだ先はどうなるか全くわかりません。
気分は崖っぷちです。
退路もありません
火曜サスペンスの犯人のような気分です。^^
しかし、今までもいろんなピンチを乗り越えてきたので
逆境にはわりかし強いかもしれません。
もちろんいろんな人の手助けがあってこそですが。
シャンバラを支え、はげまして、
応援してくれたみなさまに対する
感謝の気持は決して忘れません。


来年からはネットショップと
「シャンバラ学校」でやりたいと思いますので
またまたみなさんにいろいろと
ご面倒をおかけすると思いますが
ひとつよろしくお願いします。 m(__)m