イスタンブール 11ケ月前
イスタンブールで自爆テロがあり
10人の観光客が亡くなった。
2015年の2月、今から11ヵ月前にぼくらがいた場所。
これがテロが起こるわずか1分前の写真。と言ってもおかしくない。
ミゾレ混じりの冷たい雨が降ったりやんだり。
気温は摂氏2度。
ぼくらはブルーモスクの見学を終えて
広場を歩いていた。
この土産物屋さんもきっと数日前までは
こうやって営業していたに違いない。
この柵の向こう側が
テロのあった広場。
ガイドさんの説明を聞く観光客たち。
寒いけれども広場では多くの人がくつろいでいた。
平和な旅行の一コマが
一瞬にして吹き飛んだ。
10日間のツアーに
日本語の堪能なガイドさんも同行してくれた。
メフメットさんという30代の男性の方。
行く先々で歴史や見どころなどをくわしく説明してくれた。
質問したらちゃんと日本語で納得のゆく答えが返ってきた。
本業はカッパドキア地下都市を研究している学者さんだ。
物静かでジェントルな方だった。
去年子供が生まれたばかりだと言っていた。
トルコの物価は高くで生活も大変だ、と言っていた。
このテロでトルコの観光業は息の根を止められたように思う。
カッパドキアの絨毯屋さんは
90年代に湾岸戦争が起こった時には
観光客は全く来なくなった。
イラクとトルコは離れているのに、
トルコは全然平和なのに。
中東で何かあると観光客はぱたりと来なくなる。
と嘆いていた。
自爆テロの実行犯はどういう気持ちなんだろう。
いくら過激思想に染まっていたとはいえ
狂信的で頭のイカれた連中とは
どうも思えなくて
どこにでもいる普通にまともに話の出来る人だったように思う。
でも、あるキーワードでスイッチが入ってしまうのではないのだろうか。
それはナニ人だからとかナニ教徒とかでもなく
さっきまで普通に話していた人が
ある話に触れると、いきなりキレる。
こっちは地雷を踏んだように面食らう。
そんなdisった、つもりもないのに。
日本人でもそういう人に会ったことあるし、
それのずううううっと延長線に自爆テロがあるんじゃないだろうか?
自爆テロの実行犯は
自分は崇高な使命を帯びていると考えているのだろう。
この自爆テロは聖なる戦いのためだと信じていないとできないだろう。
すごく心が純粋な人でもあると思う。
テロとの戦い。テロは悪。と言うけれど
自爆テロの実行犯は
自分のことは決して「テロリスト」とは思っていないだろう。
自分の命より価値のある崇高な使命を帯びている、
と考えないと出来ないだろう。
テロリスト=悪って考えてる限り
きっと「テロとの戦い」は永遠に続くと思う。
戦争で儲けたいと思う人は
「テロとの戦い」が永遠に続いてほしいと
願っているようでもある。
純粋さ。
これがキーワードなのかもしれない。
「テロとの戦い」を支持する人も
イスらミックステートを支持する人も
ある意味「純粋」「pure」なんだと思う。
戦争で儲けたいと思う「ある種の人々」が
善と悪を純粋に信じる人に
「こういう悪い奴がいるから撲滅しましょう」という
イベントを宣伝すると
純粋な人たちは「それはダメだ!やっちゃえ!」と
簡単に乗せられてしまう。
逆に言えば「○○国のこんなかわいそうな人を助けましょう」
「愛で地球を救いましょう」
っていうイベントにも
涙しながら寄付をするのと同じ人たちだとおもう。
人は純粋でいい人故、
殺してしまう、場合もあるって言う事か。