お伊勢サンライン 宇治山田港
いよいよ4月20日から伊勢-中部国際空港(セントレア)間に高速船が就航します。
というはずでしたが・・・。
伊勢市は6億円を投じて伊勢湾に望む勢田川河口に宇治山田港を整備
工事は着々と進行しておりました。
この伊勢ーセントレア間の航路開設にはさまざまな反対の声がありました。
すでに
津ーセントレア、松阪ーセントレア間の航路も営業しており
さらに、伊勢ーセントレア間の航路を開業しても
人口の少ない三重県南部にそんなにセントレアに行く人がいるのか?
そんな採算の見込めない事業に5億円も投資して大丈夫なのか?
と僕も思っていました。
実際セントレア開業に合わせて就航した
鳥羽ーセントレア間の伊勢湾は採算が合わず2年ももたずに廃止されました。
僕も1度乗ったことがありますが
大型バスにお客さんは2人でした。
松阪ーセントレア間の船もがらがらできっと赤字なんだろうな、と思っています。
素人の僕にでもなかなか採算は取れない事業だというのは明白です。
僕も年に6-7回、タイに行きますがセントレアを利用するのはそのうちの
1回くらいでほとんど関西空港を利用しています。
空港までの時間も料金もそれほど変わらないのです。
それに深夜便は関空からしか飛んでいないのです。
だから伊勢航路ができてもあまり利用しないだろうと思っていました。
にもかかわらず、伊勢市はこの事業を推進して港湾整備の工事を始めました。
遷宮もあることだし、伊勢の国際化、観光客誘致の夢を描いたのでしょうね。
よほど楽天的な伊勢市です。
港湾整備は伊勢市がして
実際の運営はセラビィ観光汽船http://www.clvkk.jp/
が船を運航させるということでした。
ところが
2月15日付けで一通のFAXが伊勢市役所に届きました。
事業からの撤退を告げるセラビィ汽船からのFAXでした。
このFAXのコピーは市会議員の鈴木健一さんから
回ってきました。
ありがとう、鈴木さん。
たったこの紙切れ一枚で市民の大切な税金である5億円が
文字通り伊勢湾の水の泡となってしまいました。
いや、正確には、まだ伊勢市は一厘の望みを持っているみたいだから
水の泡となりかけています。ということにしておきましょう。
今日は朝から4歳の子供とけんかして^^
「もう、仕事に行く!」とぷんぷんおこりながら、家を飛び出して
そうだ、宇治山田港を見に行ってみよう。と現場に向かいました。
現場は伊勢市の勢田川の河口付近、下野工業団地の突き当たりにありました。
現場では報道陣とかの姿もなく
何事もなかったかのように着々と工事が進められておりました。
大屋根の駅舎も見えます。
工事の人たちが忙しそうにもくもくと働いています。
交通整理のおばさんが僕のあやしい?格好を見てちょっと不審がっておりました。
工事発注者は伊勢市長の森下隆夫さんです。
発注者ということは責任者でもあります。
この方が責任を取らなければいけない立場の人です。
森下市長は朝熊山山ろくにサッカー場を11面も作って
サッカービレッジ構想を推し進めている方でもあります。
それにも何十億だかの投資をするつもりでいらっしゃいます。
伊勢市はもちろん財政赤字を抱えています。
その累積債務は900億円とかだそうです。(間違っているかもわかりません)
財政難を理由に高齢者や身障者の補助が次々と打ち切られています。
そんな中でこういった税金を伊勢湾に捨てるようなことをやっています。
本当に大切な6億円もの市民の税金をこんないい加減な事業で無駄にして。
6億円返せ、と言いたくなりますね。
怒りというより呆れてしまいます。
すこし勢田川を道路沿いに1kmほど行くと
神社(かみやしろ)港があり、川の駅がありました。
その向かいの堤防に
船のりば 中部国際空港(セントレア)行き 伊勢1号
木造船「みずき」 と書いてありました。
こ、これ?これでセントレアに行くの?
確かにこの船に「みずき」って書いてあります。
みずきと言うのはこないだのオリンピックのマラソンで金メダルをとった
伊勢市出身の野口みずき選手にちなんだネーミングです。
川の駅の人に聞いてみると、セントレアに行くのはこの船ではないそうです。
あの、宇治山田港はどうなるんでしょうか?と聞いてみましたが
「さあ、ねえ?」と首を傾げていました。
この川の駅はNPO団体が運営していて直接伊勢市とは関係ないのだそうです。
さて、これから伊勢市長さんはじめ責任者の皆様はどう責任を取るのでしょう。
また事態の推移を見守って行きたいと思います。